配偶者の税額軽減制度について

query_builder 2021/07/26
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配偶者の税額軽減制度とは、被相続人の配偶者が遺産分割等により財産を取得した場合に、実際に取得した財産について

➀配偶者の法定相続分相当額

➁1億6000万円

のいずれか大きい金額まで相続税が実質的にかからない制度です。  


残存配偶者が取得する財産は生前の夫婦の協力により蓄積されたものであること、相続税課税のなされた残存配偶者が死亡時に課税されると同一世代に2回課税されることになることから、この制度が設けられました。


適用にあたっての主な留意点は、以下のとおりです。

➀この制度の対象となる財産には、仮装又は隠ぺいされていた財産は含まれません。


➁配偶者が、遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されますので、相続税の申告期限までに配偶者に分割されていない財産は対象になりません。但し「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し、申告期限から3年以内に分割したときは税額軽減の対象になります。(相続税法19条の2➁但書)


③申告期限から3年を経過する日までに分割協議が調わない場合には、申告期限から3年を経過する日の翌日から2か月以内に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出して、税務署長の承認を受けた場合に限り、その事情がなくなった日の翌日から4か月以内に分割されたときも税額軽減の対象になります。 (相続税法19条の2➁後段括弧書)  


➀の仮装隠ぺい行為があった場合には、当該財産については税額控除が受けられないばかりか、追加納付額の35%の重加算税が課される可能性もありますので、留意が必要です。


➁、③で分割協議が調った場合には、分割協議の成立を知った日の翌日から4か月以内に、税務署に対して更正の請求をすることによって、当初申告により納付した相続税の還付を請求することができます。


③の「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由」については政令の定めがあり、当該相続について訴えの提起がなされている場合等、特別の事情がある場合に限られます。(相続税法施行令4条の2)


配偶者の税額軽減制度の適用について詳しくご検討されたい方は、是非弊事務所にご相談ください。

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